我を忘れるほど子供を怒鳴りつけてしまう・・・そんな悩みを抱えていませんか?
そこまでではないけど「イライラを何とかしたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
かく言う私も少し前まではその一人でした。
この記事では子育て10年目の私、葦(あし)が、「怒り」に振り回されたり、落ち込んだりしなくなった方法をお伝えします。
科学や心理学的根拠に基づいた情報を集めながら試行錯誤し、効果があった対処療法と(体質改善の様な)根本解決法です。
この方法で今では概ね感情のコントロールが自然と働く様になり、「怒る」ではなく、建設的なアプローチが取れる様になりました。
「とにかく方法が知りたい」という方は目次から飛んでご覧ください。
【現実】目にした怒りのある光景
最近のある雨の日、娘を幼稚園の門の前まで送り届けた際に“怒り狂う母”と“泣き叫ぶ子”が共鳴しているのをみかけました。
「そんなに泣くなら迷惑だから幼稚園行かなくて良い!帰ろうか!?」と怒れる母。
幼稚園の先生もフォローに入ったので私はその場から離れました。
きっとその子は泣きながらも登園したのでしょう。
(なんだかいたたまれない気持ちになるとともに、数年前の自分も“怒り狂う母”であったと反省し、記事にまとめておくことにしました。)
【正体は?】怒りは起こり得る
怒りやイライラはなぜ湧き上がってくるのでしょうか。
その原因となっているものは、自分が相手に求める「こういう行動を取ってほしい」「こんな反応がほしい」といった期待と、相手のリアクションとのギャップです。
例の子供はワガママでも言ったのでしょうか。
ところで、何でも親の言うことを聞く子供って見たことがありますか?
いたとしても「意志を表現できないのかな」と違和感を感じませんか?
そんな子供には育てたくないですよね。
子供も夫も別人格、自分の所有物ではないので思い通りに操ることなんて不可能です。
つまり自分と相手との間にズレは生じて当然、怒りは起こり得るもので、上手く付き合いコントロールするものなのだと知ることが第一歩です。
【対処療法】怒りをコントロールする方法
いずれも、建設的な対応ができる様、冷静な自分に引き戻すための方法です。
怒りを感じたらすぐに思い出すこと
以下のどれか一つでも「怒りを感じたらすぐに思い出す」と決めていおてください。
- 怒りレベルを計測する
相手を「XXしたい!」という極限のレベルを100%とし、今何%の怒りを感じているのかを自己分析する - ゆっくり10数える
- とてもゆっくり今の感情を声に出して言う
- 感情に別人格の様に名前をつける事で自分と切り離す「○○さんがやって来た」
- 俯瞰で見るために“この光景を上空から見下ろしている自分”をイメージする
- 「5年後もこれについて怒っているだろうか」と考える
- 可哀想な自分、頑張った自分にご褒美を約束する
「余分な仕事を増やされたけど終わればハーゲンダッツを食べよう」 - 怒りの感情を抱いている時はデータ分析などの細かい作業がはかどるので、そういった仕事をこなす
- 怒りの感情を抱いている時は行動力がアップするので、思い切ったことをする足がかりにする
それでも引きずるイライラには
- 筆記開示を行う
ノートやカレンダーアプリなどに自分の思いをひたすら書いていく
【根本解決】ただ自分の課題に取り組む
“期待とのギャップ”の縮め方
怒りは“期待とのギャップ”と先に書きましたが、ではそもそも他者(子供や夫など)に期待しなければいいのでしょうか?
「期待しても無駄」
---私も親として、妻として、苦しい時には長期、無理してこの思考でいました。
しかしこの考えでは淋しいと思いませんか。
そして現にこの期間は倦怠期となりました・・・
ではどうすれば・・・?
答えは「母のためのアドラー心理学」の記事でも登場したこの言葉が教えてくれます。
神よ願わくばわたしに変えることのできない物事を受けいれる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とをさずけたまえ
スローターハウス5 カート・ヴォネガット・ジュニア(著)
期待するかしないかは自分の課題です。自然に期待してもいいのです。
しかし間違えてはいけないのが、その期待に答えるか否かは他者の課題だという事です。
自分にはコントロールできないので「応えてくれたらラッキー」「期待外れでも当たり前」と一喜一憂せず振り回されない様に心がけましょう。
いざ期待と違う反応が返ってきたら【対処療法】を思い出して落ち着き、現実を受け入れます。
自分の力でどうしようもない事や、すでに起きてしまったことを良い意味で諦めて、
→自分がこれから出来る事に目を向けて行動していくだけ(想いを上手に伝えるテクニックを身につけるなど)です。
この思考を常に意識する事で、体質が改善される様に負の感情に振り回されにくくなるのです。
また、自分から変わる事で、往々にして相手の行動も変化します。
しかし、それも副産物だと思っておき「変わる」「変わらない」は相手の課題であることをお忘れなく。
期待外れであれば、また自分が出来ることを試していくのみです。
これが【根本解決】“期待とのギャップ”の縮め方です。
【具体例】自分には何が出来るか
相手の行動 | 自分の行動 |
---|---|
ワガママを言う | 原因を勉強し「潜在的に親を試している」という事実を知る |
約束を守らない | 好ましい行動をとらせる方法を模索する 自ら約束を紙に書かせたり、声に出させたりする |
ダラダラする | 「やるべき事を早く済ませると、やりたい事がたくさん出来る」体験をさせる |
誘惑に負けるYouTubeを長時間見る | 意志で勝つのは難しいので環境を整える 「後で見る」機能などを教える |
言葉遣いが荒い | 「私は悲しい」という自分が主語のメッセージを伝える |
手伝いをしてくれない | 「イライラ」より「ハナウタ」を選ぶ 声かけを工夫する |
とにかく泣いている | テンションは伝染するので【対処療法】を使い、ゆっくり落ち着いて話しかける 時間に余裕があれば気を紛らわせるか、それがダメなら放っておいて落ち着くのを待つ 時間に余裕がなければ「何かをしながらか、もしくは後で聞く用意がある」事を伝えて淡々と目の前の予定をこなす |
まとめ
以上、怒りやイライラに対する対処療法と根本解決法でした。
巷には断片的な情報や、万人に効果があるかわからないサンプル数1の体験談が溢れており、自分に有効なものを取捨選択するのが大変です。
例えば「気持ちがこもってなくても“ありがとう”と言おう」とか、「夫のことは犬(女とは全く別の生き物)だと思え」とかいうアドバイスがあり、響く人もいるかもしれませんが、私にはしっくりこずモヤモヤした覚えがあります。
そんな中でストンと腑に落ち、思考の基盤となり、あらゆる行動に応用しやすく、且つ効果を感じたのが科学や心理学の教えです。
よく「育児に教科書はない」と言いますが、まず大人が有効な知識をつけることで、最低限、雨の中の地獄絵図からは脱せると信じています。
傷つく子供と自責するお母さんを少しでも減らしたい。
この記事がその一助になれば幸いです。
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