「低温調理器って気になるけど、実際使うかな?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
我が家で使っているのは、フカイ工業の「QUOCINA(クオシーナ)」という低温調理器。数年前に手に入れて、今もサラダチキンやローストビーフを作るときに活躍しています。
正直にお伝えすると、毎日使う家電ではありません。ただ、使うときは「あれもこれも」と数日続けて使うタイプ。そして何より、失敗しないんです。
この記事では、実際に数年使って感じたメリット・デメリットに加えて、「どんな人に必要で、どんな人には正直いらないか」までまとめました。購入を検討している方の参考になれば幸いです。
低温調理器のメリット|調理・仕上がりについて
温度を一定に保てるので失敗しない
低温調理器の一番の魅力は「狙った温度を正確にキープできること」です。
鶏むね肉を70℃以上で加熱するとパサつきますが、65℃で加熱すればしっとりジューシーに仕上がります。
火加減の調整が難しい鍋やフライパン調理と違って、低温調理器に任せるだけで同じ仕上がりを再現できるのは嬉しいポイントです。
ほったらかしで調理できる
セットしたら基本的に放置でOK。
火加減を見守る必要がなく、他の家事や料理と並行して進められます。
たとえば外出前にセットしておけば、帰宅後にサラダチキンやローストビーフが完成している、という使い方もできます。
忙しい家庭にとって「ながら調理」ができるのは大きなメリットです。
洗い物が少なくて済む
調理でソースや油分がつくのは耐熱袋のみ。調理器と鍋はお湯に触れるだけなので洗い物がほとんどありません。
必要に応じて包丁での下処理やフライパンで焼き目をつける等、多少のキッチンツールは使いますが、他の調理法に比べれば片付けが格段にラク。
忙しい日でもストレスにならず、食後キッチンに立つと拍子抜けするほどです。
一度に複数の料理を仕込める

同じ温度で良いのなら、ローストビーフと温泉卵を同時に調理することなども可能。
時間差で食材を引き上げるだけで、手間は省け、レパートリーが広がります。
また、サラダチキンの下味をあらかじめ数種類仕込んで袋に分けておけば、一気にまとめて調理できます。
一度の調理で味のバリエーションが楽しめるのも大きなメリットです。
このように大量調理や同時調理もできるので、作り置きしたいときや人が集まるパーティーなどにぴったりです。
お店のような仕上がりが自宅で楽しめる

レストランで食べるようなロゼ色のローストビーフや、とろっとした半熟卵も簡単に再現できます。
「家で作るとどうしても硬くなる」「生焼けにならないか不安」という料理も、低温調理器を使えば安心して挑戦できます。
料理のレパートリーが広がり、自宅ごはんがちょっと特別なものに変わるのも魅力。
ローストビーフやステーキなど、おもてなし料理に活用すれば、お友達やご家族の方も「すごい!」と喜んでくれるはずです。
▶︎「実際どのくらいの温度と時間で作るの?」という方はこちら:【保存版】低温調理器レシピ10選|鶏むねのサラダチキンからローストビーフ・サーモンまで 温度と時間つき
低温調理器のメリット|健康面について(栄養を守り、体にやさしい)

低温調理は高温調理と比べて、体にやさしいメリットがあります。
栄養が壊れにくい
ビタミンB群やビタミンC、抗酸化物質などは高温で失われやすいですが、60〜70℃前後の低温加熱では残存率が高いという研究報告があります。
つまり、低温調理は食材の栄養をできるだけ残したまま食べられるということです。
AGEs(エージーイー/終末糖化産物)
高温での焼き調理や揚げ調理では、たんぱく質と糖が反応して「AGEs(エージーイー/終末糖化産物)」という物質が多く発生します。
AGEsは体内に蓄積すると老化や動脈硬化、糖尿病リスクを高めるとされ、アンチエイジングの観点からも注目されています。
低温調理は加熱温度が低いため、AGEsの生成が抑えられるのです。
[参照]
余分な油を使わずに済む
フライパンで焼くときのように油をひく必要がなく、素材の持つ脂だけで調理できます。
そのため余計なカロリーを抑えつつ、ヘルシーな仕上がりになります。
──このように「栄養を逃さず、老化の原因物質を減らし、余分な脂もカットできる」という点は、健康志向の人にとって大きな魅力です。
私自身も、この点に惹かれて低温調理器を導入しました。
【うちの場合】思春期の息子に効いた一言
実はここ最近、低温調理器の出番が減っていました。ところが最近、思春期の息子が肌の調子を気にし始めたので「揚げ物や焼き物より、低温で調理したほうが肌にはいいらしいよ」と伝えたところ、急に興味を持った様子。
近いうちにまたサラダチキンを作ろうと思っています。生活リズムなどの健康の話がなかなか届かない年頃の子にも、「食べ方」の切り口なら届くことがあるんだなと感じた出来事でした。
低温調理器のデメリットと、買う前に気になること

調理時間がかかる
低温調理器はじっくり火を入れるため、どうしても時間がかかります。
例えば鶏胸肉のサラダチキンなら、鍋で茹でれば15分程度で済むところを、低温調理だと1時間以上かかることもあります。
時間がかかるぶん「計画性」は必要だと感じています。
私がたまにやってしまうのが、調理を始めてから「どうせならゆで卵も一緒に入れればよかった」「明日のぶんの鶏むねも仕込めばよかった」と気づくパターン。
あとから追加すると加熱時間がずれてしまうので、スイッチを入れる前に「今日これで何を作るか」をひととおり考えておくのがコツです。
低温調理は「今すぐ食べたい!」というときには向きません。
しかし逆に言えば 調理中はキッチンに張り付かなくていいので、他の家事や仕事をしているあいだに完成する、と考えるとメリットにもなります。
加熱不足だと食中毒のリスクがある【食材の厚みや量に注意】
※前提として74℃以下などで低温調理した料理は、妊婦さんや高齢の方、乳幼児など抵抗力の弱い方が召し上がるのはお勧めできません。
(肉では中心温度75℃で1分以上の加熱をしてください。)
厚切り肉や大きめの塊肉は、中心まで火が通るのに時間がかかります。
また、複数の食材を重ねてしまうと加熱不足になることも。
しっかり加熱されていないと食中毒のリスクがあります。
ただ「中心温度を一定時間以上保てば安全」というガイドラインがあるため、温度と時間を守れば安心して使えます。
とはいえ、塊肉を扱うときは「本当に中心まで火が入っているかな」と不安になることもあります。
私は慎重派なので長めに加熱してしまうのですが、低温調理は長時間でも硬くなりにくいので、多少余裕を持たせても失敗しないのが助かるところ。
それでも心配な方は、中心温度が測れる調理用の温度計をひとつ持っておくと安心感が違います。刺すだけで数秒で測れるので、鶏の厚い部分やローストビーフの中心を確認する習慣がつきます。
とはいえ、塊肉を扱うときは「本当に中心まで火が入っているかな」と不安になることもあります。
私は慎重派なので長めに加熱してしまうのですが、低温調理は長時間でも硬くなりにくいので、多少余裕を持たせても失敗しないのが助かるところ。
それでも心配な方は、中心温度が測れる調理用の温度計をひとつ持っておくと安心感が違います。刺すだけで数秒で測れるので、鶏の厚い部分やローストビーフの中心を確認する習慣がつきます。
▶︎おすすめの温度計は記事末でまとめて紹介しています。
※食材を常温に戻してから調理するか、冷蔵庫から出してすぐ調理するか、について。
メーカーによっては雑菌繁殖のリスクを減らすため「冷蔵庫から出してすぐ調理」を推奨。
一方で火の通りを安定させるため「常温に戻してから調理」を勧めるレシピもあります。
どちらの方法も一理あるので、信頼できるレシピブックに従うのがおすすめです。
また、低温調理後に食材の表面を焼くか焼かないかも、柔らかさ重視または殺菌重視かでメーカーにより見解が異なります。
使用できる調理器具が限られる
低温調理器を使うには、ある程度深さのある鍋かコンテナ、耐熱袋が必要です。
「これしか使えない」というわけではありませんが、初めてだと少し準備に戸惑うことも。
一度セットをそろえてしまえば、あとは繰り返し使えるので負担は少なくなります。
私は深型の鍋と鍋敷き(コンロの上でもOK)+ジップロック、または耐熱性のあるビニール袋「アイラップ」を使っています。
▶︎実際に使っている鍋・袋は記事末でまとめて紹介しています。
大きさ・置き場所の問題

本体が大きめのものもあり、キッチンのスペースを取ります。
イメージとしては、小さなものなら500mlの水筒くらい、大きなものならスポーツ少年が持つ1.5Lの水筒くらい。
ちなみに写真は我が家のフカイ工業「QUOCINA」で、大きめのタイプです。
料理好きで頻繁に使う人なら「常に出しっぱなし」で便利に使えますが、たまにしか使わない人だと、鍋やコンテナも含めて収納場所に悩むことがあります。
私も「もう少しコンパクトなら、もっと気軽に出せるのに」と思うことがあるので、サイズは選ぶときの重要ポイントです。
電気代やランニングコスト
長時間稼働させるため「電気代がかさむのでは?」と心配される方もいます。
目安を計算してみると、1000Wの機種をフルパワーで1時間動かしても約31円(1kWhあたり31円で計算)。
実際には設定温度に達したあとは保温運転に切り替わるので、サラダチキン1回分ならこれよりさらに安く済みます。
1回の調理で数十円程度と考えれば、大きな負担にはなりません。
むしろ、ガスコンロで長時間加熱し続けるよりも光熱費を抑えられるケースもあります。
運転音は気になる?
低温調理器はモーターでお湯を循環させるため、稼働中は「ブーン」という低い音が続きます。
体感としては、電子レンジの運転音より少し大きいくらい。
キッチンにいれば当然聞こえますが、扉を1枚隔てた部屋までは届きません。
1時間以上動かし続ける家電なので気になる方もいると思いますが、我が家では「そういえば動いてたな」と忘れているくらいの存在感です。
お手入れはラク
「見た目が複雑だから、洗うのが面倒そう」と思われがちですが、実際にはほとんど汚れません。
食材はすべて袋の中に入っているので、本体が触れるのはお湯だけ。
使い終わったらコンセント部分に水がかからないよう気をつけながら、下部(お湯に浸かる部分)をさっと水洗いするだけで済みます。
お手入れの手間を心配して迷っている方は、そこはあまり気にしなくて大丈夫です。
結論:低温調理器が必要な人・いらない人
ここまでのメリット・デメリットを踏まえて、数年使ってきた立場から正直にまとめます。
必要な人(買ってよかったと思えるタイプ)
- 鶏むね肉をよく食べる/市販のサラダチキンを買う習慣がある人
- 油や高温調理をなるべく控えたい、健康・美容が気になる人
- 火加減の調整が苦手、料理中にキッチンに張り付いていられない人
- 作り置きやおもてなし料理を、まとめて仕込みたい人
- 「家で作ると硬くなる」に何度もがっかりしてきた人
いらない人(正直、おすすめしないタイプ)
- 平日の夕飯を「今すぐ・短時間で」なんとかしたい人
- 深めの鍋やコンテナを置くスペース・収納場所がない人
- 妊娠中の方や小さなお子さん、ご高齢の方がいて、低温加熱に不安がある人
- 毎日フル稼働する家電を求めている人
最後の点は正直に書いておきます。我が家の登場回数は、多い年でも数回ほど。
ただ、一度使い出すと「明日のぶんも」「これも入れよう」と数日続けて使うタイプの家電です。
毎日の時短のためではなく、「たまにでも、ちゃんとおいしいものを失敗せずに作りたい」という人にこそ向いていると感じています。
「必要な人」に当てはまった方は、次の比較表からライフスタイルに合う1台を探してみてください。
低温調理器の選び方|ブランドで比較
低温調理器の選び方|4つのチェックポイント
低温調理器は、温度と時間を管理するというシンプルな家電なので、正直どれを買っても「調理そのもの」は成立します。だからこそ、選ぶときは使い勝手で比べるのがおすすめです。
① サイズと固定方式
私が次に買うなら、まずここを見ます。鍋のフチに挟むクリップ式か、鍋に入れて自立するタイプか。自立式は着脱がラクで、収納時にも扱いやすいです。本体が小さいほど出し入れのハードルが下がり、結果的に使う回数も増えます。
② パワー(W数)
数値が大きいほどお湯が早く設定温度に到達し、たくさんの水量にも対応できます。1000W前後あれば家庭用としては十分です。
③ 必要な水深
意外な落とし穴がこれ。機種によって「最低これだけの深さが必要」という基準があるので、今持っている鍋で使えるかを必ず確認してください。深い鍋や専用コンテナを買い足す前提かどうかで、初期費用が変わります。
④ レシピとサポートの充実度
初めての1台なら、ここが満足度を大きく左右します。温度と時間の目安が載ったレシピブックや公式サイトのレシピ、アプリ連携、購入後の問い合わせ対応があると、「怖くて使わないまま」を防げます。
| 商品ブランド | こんな人におすすめ | 価格目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 自宅で本格的に低温調理を楽しみたい、ミニマルなデザインが好きな方 | ¥24,000~ | コンパクトで取り回しが良い、HPにレシピ多数、静音声や安全性に配慮、最大1000Wのパワー、専用アプリ連携、アクセサリも充実 | |
| ANOVAアノーバ【楽天市場】 |
海外ブランドでの実績、軽さを重視する方 | ¥29,800~ | 1000wながら約0.7kgと軽量、アプリ連動可、簡易日本語説明書付き※コンセント差込口はA-type3Pinのため変換アダプタが必要 |
| エンペラータマリン【公式サイト】 |
価格と性能のバランスやアフターサービスを求める方 | ¥15,980~ | 自立式の扱いやすさ、1200Wのハイパワー、サポートも充実していながら比較的安価、プロ監修レシピブック付き |
| アイリスオーヤマ【Amazon】 |
コスパ重視、手軽に低温調理を始めたい方 | ¥9,980~ | 高さ28.8cmとコンパクトで10センチ深さの容器から調理可能、1000w、最低限の器具、シンプルな機能で試してみたい方 |
※商品取り扱い状況により販売サイト(表中リンク)が異なります。
※最新価格は各サイトにてご確認ください。
※他にも低温調理器メーカーはありますが、今回は口コミが安定している4機種に絞ってご紹介しています。
迷ったときは、「置き場所に余裕があるか」で絞るのが早いです。
省スペース重視ならコンパクトなBONIQ、価格とサポートのバランスを取りたいなら自立式のエンペラータマリン、まずは試してみたいならアイリスオーヤマ、という選び方になります。
\価格とサポートのバランスで選ぶなら/
まとめ
低温調理器には「時間がかかる」「置き場所が必要」といったデメリットもありますが、一度に複数の料理を仕込めたり、失敗なくジューシーに仕上がるなど、メリットも大きい調理家電です。
毎日使う家電ではないかもしれません。
それでも我が家に残り、使い続けているのは、「これなら失敗しない」という安心感があるから。
健康志向の方、ほったらかしで調理したい方、お店のような仕上がりを楽しみたい方には、特におすすめできます。
この記事で紹介した比較表も参考に、あなたに合った1台を見つけてみてくださいね。
▶︎低温調理器を使ったレシピはこちら:【保存版】レシピ10選|鶏むねのサラダチキンからローストビーフ・サーモンまで 温度と時間つき
▼私が次に選ぶとしたら、基準は「サイズ」と「自立式かどうか」。
同じことで迷っている方は、この2機種が候補になると思います。
我が家で低温調理に使っている道具
「本体以外に何が必要?」と迷う方が多いので、実際に使っているものをまとめておきます。
▼深型の鍋
低温調理だけでなく、野菜を蒸すときにも使用しています。かぼちゃとさつまいもを同時に、など一気に大量に蒸せて便利。それだけでも一品になります。
▼ジップロック
耐熱温度は100度。低温調理には使えますが、鍋を火にかけて煮沸する調理には使えないので注意。
▼アイラップ
耐熱温度は120度。鍋を火にかけて煮沸する調理もOK。防災用品としても話題です。
▼調理用の中心温度計
必須ではありませんが、塊肉を扱うときの安心感に。丸洗いでき衛生的、人気もトップクラス。
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