- 自分は今まで何も極めてこなかった・・・この先どの道に進めばいいかわからない
- 我が子には効率よく学んで欲しい
- 『RANGE』についての知識を確かめたい
このような思いをお持ちではないですか?
おはようございます。「好きなことはあるが極め抜けなかった・・・」と20代前半から考え悩んで10余年の葦(あし)です。
「悩みすぎでしょ!?」とツッコミが入りそうですが、こんな闇の中にいる私でも徐々に光に向かって歩んでいます。
その原動力がまさに『RENGE』なのです。
今回はこちら
RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる
アメリカの科学ジャーナリストである著者:デイビット・エプスタインさんの書籍より、学んだことをクイズ形式で紹介します。
困難な状況にいるあなたも、この本を読んだことがあるあなたも、
以下のクイズで『知識の幅』を身につけていただくことをお勧めします。
ご自身の“あり方”を考え、これからの時代を生き抜く一助になれば幸いです。
タイトルが問い、その下に答え、解説と進みますので少しずつスクロールしてご覧ください。
- 今後の時代を生き抜くには早めの専門特化が有効であるか?
- タイガー・ウッズ(ゴルフ)の成功要因は?
- ロジャー・フェデラー(テニス)の成功要因は?
- フリン効果とは
- フェルミ推定とは
- フィーリエ・デル・コーロとは
- 音楽学校で厳しい訓練を受ければ即興演奏ができるようになるか
- 効果を生むのは速い学びかゆっくりとした学びか?ブロック練習か多様性練習か?
- 科学的な裏付けのある学習方法3つ
- 未経験のことについて考える思考法は
- グリット「やり抜く力」こそ全てか
- 試行錯誤を重ねた偉人たち
- アウトサイドインとは
- 枯れた技術の水平思考とは
- カエル視点と鳥視点とは
- コミック商業価値の大きなプラス要因は
- 人口爆発は起こるのか?サイモンとエーリック賭けの結果は
- 宇宙飛行士の命を奪ったのは○○至上主義
- 「整合性」や「一貫性」は成功とイコールか?
- 【まとめ】一個人として、親として活かすRANGE
今後の時代を生き抜くには早めの専門特化が有効であるか?
答え:
NO
解説:
かつての工業全盛時代は『親切な学習環境』で繰り返せば改善する世界だった。
しかし1980年代までに、幅広い概念スキルがさまざまな仕事に必要になった。
タイガー・ウッズ(ゴルフ)の成功要因は?
答え:
早期の専門特化型で成功。
解説:
ゴルフというスポーツが「親切な世界」(=比較的外的要因に左右されず、個人の鍛錬がモノを言う)スタイルだから。
チェスや消防士における慣れた現場・ポーカーもこれに通じ「強固な統計的規則性」による直感が働く。
ロジャー・フェデラー(テニス)の成功要因は?
答え:
RENGEで成功。幼い頃からあらゆるスポーツを経験してきた。
解説:
テニスというスポーツが「意地悪な世界」(=比較的外敵要因に左右され、その場の判断・瞬発力がモノを言う)スタイルだから。
現代は「親切な世界」を見つける方が珍しく、テニスよりももっと「意地悪な世界」である。
火星人のテニス—つまり私たちはルール構築から行わなければならないし、ルール変更にも対応していかなければならない。
フリン効果とは
答え:
時代が進むにつれてIQテストの正解数が伸びていくこと。
解説:
フリンはニュージーランドのオタゴ大学政治学分野の教授で思考についての心理学者の考え方を変えた人物。
IQテストの成績の伸びは10年ごとに3ポイント。
特に「レーヴィンのマトリックスのような抽象的なタスク」や、「二つのものの類似性を指摘するテスト」では成績が急上昇していた。
複雑化した現代社会に触れることで、私たちは目の前で起こっている事象のみならず、「概念的な分類」や「類似性の発見」「知識移転・帰納法」といった思考の柔軟性を働かせる。
しかし現代の教育現場では、クリティカルシンキングの能力開発が狭い領域内に限られており、もっと横断的に学べる環境が必要である。
フェルミ推定とは
答え:
わずかな知識だけを使って、自分の知らないことについて推定するツール。
解説:
フェルミは世界初の原子炉を作った人物で、調査しないと分からないような数量を論理的に概算し推定していた。
「知識」よりも「考え方」の方が重要。
例えば「ニューヨークにピアノの調律師は何人いるか」と言う問いに、人口や家族構成など知っている知識を元に推定していく。
フィーリエ・デル・コーロとは
答え:
聖歌隊の娘たちの意。17世紀に発したベネチアの音楽家のグループで、1世紀にもわたり人気を博していた。
出自は孤児院の少女たち。女性があらゆる楽器を演奏したが、そのこと自体が革新的だった。
ビバルディは孤児院の音楽家のために6年間で140曲のオリジナル協奏曲を書いた。
解説:
孤児院の音楽プログラムは厳しいものではなく、一人に子がいくつもの楽器を学んでいた。
バイオリン・オーボエ・テノール・バス・チェンバロ・フレンチホルン・コントラバスなど。
優秀なオーボエ奏者の歯が60代で突然抜け落ち演奏できなくなった。
が、過去に経験していたバイオリンに戻り70代まで演奏を続けた。
音楽はゴルフと並んで「高度な訓練を狭い範囲で早くから始めると効果が高い」とよく言われている。
しかし、幅広い活動で能力や興味を調べる体験期間は早く上達するために省略できるものではなく、不可欠なものだ。
世界的チェリストのヨーヨー・マも、ずっと早い時期にバイオリン・ピアノと体験してきた。
音楽学校で厳しい訓練を受ければ即興演奏ができるようになるか
答え:
NO
解説:
ジャズとクラシックの両方で世界レベルの演奏をする音楽家ジャック・セッチーニ。
13歳のときギターに出会い独学、23歳のとき必要に迫られてからクラシックギターを始める。
「ジャズミュージシャンがクラシック音楽を習う方が、クラシックの演奏家がジャズの演奏を学ぶより簡単だ」
「ジャズ・・・クリエイティブ(創造的)、クラシック・・・リクリエイティブ(再現的)」
ピアニストのレオン・フィッシャーは譜面の解釈の熟達に生涯を費やしてきたが「即興演奏は全くできなかった」という。
効果を生むのは速い学びかゆっくりとした学びか?ブロック練習か多様性練習か?
答え:
多様性練習。速く学ぶよりゆっくり学ぶ。
解説:
ヘッドスタート信仰のブロック練習は×
インターリーブ(本来本に白いページを挟み込むという意味)の多様性練習が◎
アメリカ海軍航空隊の数学における成績は、短期的に見るとブロック練習方式の方が良かった。
しかし長期的に見ると多様性練習方式の方がよく身についていた。
課題は「子供たちの将来への学びのインパクトを親や教師がどのくらい評価できるか」。
ブロック練習で目の前の進歩を見せつけられると、本能的に同じことをもっと繰り返した方がいいと感じられるが、これは間違いである。
科学的な裏付けのある学習方法3つ
答え:
「間隔を空ける」「テストする」「関係を認識する問題を用いる」
解説:
アメリカ教育省が、6人の科学者と1名の教師に「科学的な裏付けのある学習方法」を選び出すよう依頼。
2007年報告書を発表。
未経験のことについて考える思考法は
答え:
アナロジー(類推)思考
解説:
ケプラーはアリストテレスの時計仕掛けの宇宙像を完全に覆した。
宇宙の姿を捉えるのに、光・熱・におい・ボート・ほうき・磁石などすでにある知識になぞらえて思考した。
「聖霊」ではなく「動かす力」重力の概念の先駆けとなった。
グリット「やり抜く力」こそ全てか
答え:
NO
解説:
グリット研究でマッカーサー賞を受賞した心理学者アンジェラ・ダックワース本人も
グリット推奨の熱狂に「自分が強く反対する考えに加担してしまったのではないかと心配している」
成功の最大要因がグリットであるかのような拡大解釈や誇張に注意。
例えばバスケットボール選手の中で突出して成功した人を調べればグリットは強いだろうが、
一般人も含めてグリットが強い人がバスケットボールで成功できるかといえばそうではない。
きっと背の高さの方がずっと成功要因になり得るだろう。
また、「マッチクオリティー」=その職業などがどれほど当人に合っているか、についても注目する必要がある。
陸軍士官学校でグリットが強い人は厳しい士官訓練プログラムを全うするだろうが、
プログラムから離脱した人がグリットが弱いというわけではない。
そもそも自ら強く志願したわけではなかったり、マッチクオリティーの低さに気づき対応しただけである。
マッチクオリティーの高低はやってみなくては分からないので、「やめる」選択をした士官候補(しかも高卒と若い)は賢明な判断をしたと言える。
「誰にグリットがあるか」ではなく「いつどういう環境ならグリットがあるか」を問うべき。
試行錯誤を重ねた偉人たち
答え:
フランシス・ヘッセルバイン
ナイキの創業者フィル・ナイト
チャールズ・ロバート・ダーウィン
フィンセント・ファン・ゴ ッホ
ミケランジェロ・ブオナローティ
解説:
ヘッセルバイン・・・百貨店の広報アシスタント・少女30人のガールスカウトを率いるリーダー・300万人の組織ガールスカウトCEO・起業家のための非営利財団CEO
ナイト・・・「早く失敗して学んだことを次の事業に生かすこと」
ダーウィン・・・父の意向に添い医師になるつもりだったが、聖書直解主義者であり聖職者になるべきだと考えていた。出席する授業を次々と変え植物学・ビーグル号乗船に繋がった。
ゴッホ・・・画廊勤めや寄宿学校での補助教員を経て、牧師になるために書店員をしながら大学を志すも諦める。33歳で美術学校に入学するが数週間で辞め、独学であらゆる画法を試してはやめ、を繰り返した。
ミケランジェロ・・・彫刻も詩作も半分以上は未完成でいつも試行錯誤していた。絵も建築も要塞の設計も経験。美術論を語ることはなかった。
アウトサイドインとは
答え:
問題から遠く離れた分野の経験をもとに、解決方法を見つけること。
解説:
オープンイノベーションをビジネス化した会社「イノセンティブ」
NASAは太陽による放射性物質の噴出を予測できず、この問題に30年間取り組んできた。
2009年イノセンティブを通じて解決法をオープンに求めた。
半年も経たないうちににブルース・クラギンの“望遠鏡が拾う電波を利用する方法”で問題を解決した。
1795年、美食家で菓子職人食に関する幅広い知識を持つニコラ・アペール。
缶詰の元となる技術で、食料保存を専門にする科学者を出し抜いた。
枯れた技術の水平思考とは
答え:
古くから存在し、よく理解され簡単に手に入り、専門的な知識も必要ない技術。
解説:
枯れた技術の思考により、任天堂の横井軍平は数々のヒット作を世に生み出した。
「ラブテスター」・・・すでに世に溢れている技術、トランジスタと検流計を利用。
「ゲームボーイ」・・・画像はモノクロだが安くて丈夫。
古いハードウェアを使用したのでゲームソフト開発者は新しい知識も必要なく、クリエイティビティと開発スピードに注力できた。
ユーザーは高い技術を買っているのではない。
カエル視点と鳥視点とは
答え:
2009年物理学者であり数学者でもあるダイソンの言葉
解説:
カエル視点・・・一点を深く見て追求する
鳥視点・・・全体を広く見渡す
どちらも必要である
コミック商業価値の大きなプラス要因は
答え:
クリエイターの幅広いジャンルの経験
解説:
ダートマス大学アルバ・テイラー教授とノルウェー経済大学院のヘンリッヒ・グレーブ教授の研究。
クリエイターの経歴の長さや、作品にかける資金、ジャンル(コメディー・ファンタジー・アダルト・実話・SFなど)自体に、商業価値に関するインパクトはなかった。
「千と千尋の神隠し」の宮崎駿も幅広いジャンルの作品に携わっている。
ナレッジベースの業界でイノベーションを起こそうとする場合「スーパーな人(=多様な知識を持った個人)」を見つけるのが最も良い。
もし、見つからなければ「素晴らしいチームを編成」するのが良い。
人口爆発は起こるのか?サイモンとエーリック賭けの結果は
答え:
二人とも間違っていた。
解説:
スタンフォード大学ポール・エーリックは1968年の著書などで「人口爆発と資源不足・世界に飢餓が広まりつつある」と主張。
応じる形で、経済学者のジュリアン・サイモンが「緑の革命=イノベーションにより食糧危機には陥らない。人口増もアイディアを増やすのに追い風である」と主張。
資源、金属の価格変動による賭けを行い、1990年にサイモンが勝利した。
しかし金属などのコモディティ価格は人口増の影響を見るのには適さない指標だった。
エーリックは人口について予測を間違ったが、環境の悪化については正しかった。
サイモンは食料とエネルギー供給での人類の想像力については正しかったが、大気と水質の改善はエーリック側が主張していた規制によってもたらされた。
自分の見解にあった情報ばかりを集めるので、独善的になり予測が悪化した例である。
宇宙飛行士の命を奪ったのは○○至上主義
答え:
データ
解説:
1986年にNASAチャレンジャー号が打ち上げ失敗・爆発し7名が死亡。
エンジニアは「写真」から判断して打ち上げ中止を申し出たが「データがない」という理由で打ち上げ決行・事故に至った。
NASAにおける「データ」はこれまでの成功の重要なツールであったが、土壇場では使い慣れたツールを捨てる必要もある。
「整合性」や「一貫性」は成功とイコールか?
答え:
NO
解説:
最も有能なリーダーと組織にはレンジがある。
「厳しいが愛情深い」「秩序だってるが起業家的」「ヒエラルキーが強いが個人化主義」といった組織があるが、さまざまなツールを使用でき、レンジが害になることはない。
【まとめ】一個人として、親として活かすRANGE
いかがだったでしょうか。
『RANGE』の内容のごく一部ですが、私が個人的に衝撃を受けた学びについて紹介しました。
※こちらの記事は個人のフィルタを通してのもの、という事をご了承いただき、ぜひこの良書を実際に手に取っていただければと思います。
この本をを読んだことがないあなたの気づきになり、また、読んだことのあるあなたの復習となっていれば・・・と願います。
一個人として・・・
世の中は親切なルールに守られていない。
私たちが生きている世界は、ゴルフでもテニスでもなく「火星人とのテニス」といえる。
経験さえ積めば、その分野で報われるというのは昔の話。
水平思考・アナロジー思考。
親として・・・
我が子の目の前の成果だけに一喜一憂せず、辛抱強く(また、気楽に)見守ることが大切。
さまざまな経験を試せるような環境づくりをし、「いつグリットするか」を観察する。
課題に、易々と取り組めている事ばかり褒めるのは違う。
苦しんでいる時こそ「それイイネ!学んでいる証拠だよ。成果はきっと後に出てくる。」
「間隔を空ける」「テストする」「関係性を認識する問題を用いる」
——これらを心がけていこうと、そう思います。
ではっ
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